
日本の分譲マンションは、建設工事が始まった時点で販売を開始する “青田売り”が当たり前だ。そして、建物ができあがるまでに「全戸完売」を目指す。
業界に広がる「住友方式」
このため、建物が完成しても販売を続けているマンションは「売れ残り」とみなされる。売れ残りだから、値引きするのが当たり前と考える風潮もある。
こうしたなか、日本の不動産業界でただ1社、建物完成後に販売を続けても「売れ残り」とみなさず、値引きも行わない会社がある。住友不動産だ。2017年まで4年連続でマンション供給戸数日本一の座にある財閥系デベロッパーである。
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櫻井幸雄
住宅ジャーナリスト
1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。