
私が1988年から毎年夏に参加した「全米墓園協会大学」(※)には、アメリカ全土、カナダ、南米から約100人の受講生がやってきていた。一方、アジアから来ているのは当時私1人である。
初年度はお墓のセールスとマーケティングのコースを受講した。いわゆる普通の営業だけではなく、市場調査のカリキュラムがセットになっている。将来予測こそ、破綻が許されない霊園経営の基礎なのである。「暗闇に歩いて行くのは愚かだ」という考え方をたたき込まれたのだった。
2年目には、アカウンティング・財務管理、会計学コースを受講した。国土の広いアメリカ合衆国では霊園は株式会社による経営が多く、永代使用が主だった。使用者から得る永代使用料の一部を、墓地管理基金として積み立て、修繕費用や管理棟の建て替え費用に充てていた。またその資金を安全に運用し、原資をいかに増やすかという、現実的なカリキュラムが組まれていた。
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