明治から大正にかけて農地の集約が進み、多数の小作人を抱える大地主が各地に出現した。こうした、自らは農業を営まず小作料収入を生活の基礎とする地主を「寄生地主」といい、多くは商業を営んで豪商としても知られた。
寄生地主のうち1000町歩(1000ヘクタール)以上の土地を抱える巨大地主のことを特に「千町歩地主」と呼んだ。千町歩地主は新潟県に多く、その中でも最も広大な土地を集積したのが新潟県水原(すいばら、現阿賀野市)の市島家である。今回は、代表的な寄生地主の一家である市島家の発展の歴史と、今を紹介する。
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