統計学のきほん

「1世帯あたり貯蓄額」平均1812万円のカラクリ

本丸諒・サイエンスライター
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 「IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AI(人工知能)」といった言葉が氾濫しています。それに合わせて「大量のデータを処理できないとビジネスで生き残れない……」といったことがまことしやかに言われ、強迫観念に襲われている人がいるかもしれません。

 ただ、AIであっても無限のデータを扱えるわけではありません。処理能力には当然、限界があります。また、データを扱うには「線引き」のセンスが必要です。人間はこの「線引き」のための優れた道具をもっています。それが統計学(統計)です。いまはデータに弱くても、統計学のキモを身に着けていくことで、データを見る目を養うことができます。早速、統計の基本を学んでみましょう。

 統計のよい点の一つは、大量のデータをまとめることができることです。

 ある会社に営業部員が10人いるとします。彼らに1日に届くメールの数を教えてもらいました。すると、それぞれ昨日は「8通、7通、2通、16通、11通、9通、3通、27通、10通、7通」という結果でした。そして、今日は「10通、6通、5通、21通、26通、5通、8通、33通、11通、5通」でした。

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本丸諒

サイエンスライター

横浜市立大学卒業後、出版社に勤務。主にサイエンス分野の書籍を手掛け、月刊のデータ専門誌編集長を務める。独立後、編集工房シラクサを設立。日本数学協会会員。著書に「文系でも仕事に使える統計学はじめの一歩」(かんき出版)、「マンガでわかる幾何」(SBクリエイティブ)、「意味がわかる微分・積分」(ベレ出版)などがある。