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「トランプ制裁関税」ブーメランで米国経済に悪影響

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト

 米中貿易戦争のダメージは今年の10~12月になると、いよいよ大きくなってくる。

 米国は9月24日、中国に対する制裁関税の対象を総額500億ドルから一気に2000億ドル規模に引き上げた。2018年内は10%の関税率の上乗せで、19年初めから25%の上乗せにするという。

 概算すると、関税負担増は18年10~12月は325億ドル(年換算)、19年は625億ドルになる。米国の名目GDP(国内総生産)と対比すると、それぞれ0.17%、0.32%となる。

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第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。