サイバー攻撃の脅威

22万人が被害受けたウクライナ「12月の停電事件」

松原実穂子・NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
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 2015年12月23日、ウクライナ西部のイバーノ・フランキーウシクで停電が発生した。サイバー攻撃による停電として初めて認知されたのが、本事件である。ここの12月の平均気温は、最高気温が3度、最低気温が氷点下4度である。

 攻撃を受けた電力会社の翌日の発表によると、12月23日の午後3時35分から同4時30分にかけて、変電所へのリモートアクセス用ITシステムに第三者による不正侵入があった。その結果、変電所30カ所がダウンし、8万人が停電被害を受けた。同6時56分に手作業で電力が復旧した。

 その後の調査で、停電の被害者は実際には22万5000人にのぼっていたことが判明した。三つの配電会社…

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松原実穂子

NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。