スルガ銀行 不正の構図

「シェアハウスは社会貢献」社長の偽善と甘いワナ

編集部
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会社員のBさんが購入したシェアハウス
会社員のBさんが購入したシェアハウス

 「『家賃0円・空室有』でも儲(もう)かる不動産投資」との本がある。著者は大地則幸スマートデイズ(当時の社名はスマートライフ)元社長。2016年8月にダイヤモンド社から出版された。スマートデイズのシェアハウス事業が急伸していると宣伝する内容だ。

 大地氏は、シェアハウスに入居する女性に仕事を紹介し、企業から紹介手数料をもらい収益の柱にすると説明。「若い女性に住まいと仕事を提供する社会貢献だ」と胸を張っている。出版から1年5カ月後には事業が行き詰まり、大地社長は退任する。後には1億円前後の借金を背負った700人を超すシェアハウス購入者が残された。

 「社会貢献」の言葉に乗せられた購入者は多い。40代半ばの会社員、Bさんもその一人だ。東京23区内の賃貸マンションに住む独身者で、年収は約800万円。6年前、同僚に紹介された仲介業者を通して都内のワンルームマンション2戸を購入した。「扶養者がいないので、税金が高いんです。節税や老後を考えて買ってみようと思いました」と振り返る。

 購入費は2戸で2500万円。ノンバンクと流通系銀行から全額、融資を受けた。家賃収入と返済はほぼトントン。毎月、手元に数千円が残る。それが4、5年続いていた。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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