海外特派員リポート

「夢も希望もない」金融支援が終わったギリシャの現実

三沢耕平・欧州総局特派員(ロンドン)
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ギリシャ最大の港湾都市・ピレウスの港近くのマーケット。好天に恵まれるギリシャでは、強い太陽の光を浴びて育ったぶどうやサボテンの実などの果物が人気という=2018年9月6日(写真はいずれも三沢耕平撮影)
ギリシャ最大の港湾都市・ピレウスの港近くのマーケット。好天に恵まれるギリシャでは、強い太陽の光を浴びて育ったぶどうやサボテンの実などの果物が人気という=2018年9月6日(写真はいずれも三沢耕平撮影)

 債務危機に陥ったギリシャに対する欧州連合(EU)の金融支援が8月に終了した。今後は自主再建を目指すが、高い失業率と人口減少に伴う内需の先細りから、その先行きは不安視されたまま。歳出削減で苦しい生活が続く市民からは緊縮財政を求めるEUに対する怒りが広がっている。

 「売れ残った肉はない?」。アテネから南西に12キロ、ギリシャ最大の港湾都市ピレウス。9月上旬、港近くのマーケットを歩くと、精肉店の店員に女性が詰め寄っていた。「生活が苦しくなったせいで皆が物乞いのようになってしまった。我々に緊縮財政を求めるなら、かつてヒトラーが奪ったギリシャの財宝を返せ!」。店主のイオセフさん(80)は語気を荒らげ、寂しげな表情を見せた。

 金融支援が終了した8月20日。EUのトゥスク大統領はツイッターに「ギリシャの皆さん、おめでとう」と…

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三沢耕平

欧州総局特派員(ロンドン)

1972年千葉県生まれ。明治大学法学部卒。98年毎日新聞社入社。松本、甲府支局を経て、2004年から経済部で財務省、日銀、財界などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。16年10月から欧州総局特派員。