藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

ウクライナ首都キエフ 東欧最大の都市に何があるのか

藻谷浩介・地域エコノミスト
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キエフの街。世界遺産のペチェールシク大修道院からドニエプル川と対岸の新市街を望む(写真は筆者撮影)
キエフの街。世界遺産のペチェールシク大修道院からドニエプル川と対岸の新市街を望む(写真は筆者撮影)

 肥沃(ひよく)で実りの多い場所に、文明が栄え、豊かな国ができる。古代の四大文明や、近現代の米国はその典型だろう。だが、必ずしもそうはいかなかった場所もある。たとえば欧州では、域内最大の沃野を持つウクライナが、歴史に覇を唱えることなく、地域最貧国として今日に至った。2度の大戦など世界史上最大の流血のあった20世紀前半に、どこよりも多くの犠牲者を出したこの悲劇の国の、首都キエフはどんな場所で、今どうなっているのか。

 ウクライナの首都キエフ。皆さんはどんなイメージをお持ちだろうか?

 1986年4月に大規模な原発事故の起きたチェルノブイリから、南にわずか130キロしか離れていない、なんだか危なそうな場所ということか。あるいは2014年7月にウクライナ東部で発生し、オランダ人192人を含む298人もの犠牲を出したマレーシア航空機撃墜事件(アムステルダム発クアラルンプール行き)を思い出すか。今わざわざ行く場所ではないとも思えるが、行ってみなければ、実際のところはわからないのである…

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。