サイバー攻撃の脅威

大企業の財務担当を狙う「なりすましメール」の手口

松原実穂子・NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
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 ご自分が会社の財務担当者だと想像していただきたい。会社の社長から、「至急、〇〇買収案件のため、極秘扱いでこの口座に入金してほしい」との緊急メールが送られてきたら、どう対応するだろうか?

 2016年1月、オーストリアの航空部品会社の財務担当者は、最高経営責任者から買収のための振り込みを命ずる緊急メールを受け取り、4200万ユーロ(52億8000万円)送金した。

 ところが送金した後で、偽メールであったことが判明した。航空部品会社は、直ちに対抗策を取り、振込先の…

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松原実穂子

NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト

早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。