戦国武将の危機管理

鶴岡八幡宮の再建に託した北条氏綱“三つの狙い”

小和田哲男・静岡大学名誉教授
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鶴岡八幡宮=2011年9月1日、松永東久撮影
鶴岡八幡宮=2011年9月1日、松永東久撮影

 戦国大名・北条氏の2代目氏綱が、名字をそれまでの伊勢から北条に変えたことはすでに触れた通りである(注)。その氏綱は初代早雲、3代氏康の活躍にくらべるとやや地味で、これまではあまり注目されてこなかったように思われる。

 しかし、危機管理という視点でみると、氏綱は大きな役割を果たしていたことが浮かびあがってくる。ここでは、氏綱による鶴岡八幡宮の造営事業についてみておきたい。

 鶴岡八幡宮は周知のように源氏の氏神というだけでなく、中世都市・鎌倉の中枢に位置し、伊豆から相模に版…

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小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com