地域活性化の挑戦者たち

「歴史ある街をリノベで再生」広島・尾道の飲食業社長

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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有限会社いっとくの飲食店1号店で居酒屋の「いっとく」=筆者提供
有限会社いっとくの飲食店1号店で居酒屋の「いっとく」=筆者提供

 飲食業がメインの「有限会社いっとく」は、本社のある広島県尾道市や福山市で15店舗の居酒屋、カフェ、ゲストハウスなどを運営する。創業者の山根浩揮(こうき)社長(44)は尾道市で生まれ育ち、自社の経営と並行して尾道の活性化にも力を注いでいる。今回は、山根社長の取り組みを紹介する。

江戸時代から繁栄した尾道

 瀬戸内海をまたぐ「しまなみ海道」の本州側入り口にあたる尾道市は、江戸時代には北前船(きたまえぶね)の寄港地として栄えた。尾道で財を成した豪商が寺や街の整備に惜しみなく投資し、独特の街並みをつくり上げた。

 江戸時代は町の繁栄とともに、現在のJR尾道駅から東に1キロほどにある「新開(しんがい)地区」が人の集まる場になった。遊郭があったからだ。昭和に入ると、遊郭だった建物は居酒屋やスナックになり、歓楽街へと姿を変えた。最盛期には500軒ほどの酒場があったが、1980年代ごろから衰退し始め、現在、その数は半減した。新開地区が、尾道の主要な観光ルートから離れていることも影響しているという。

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。