統計学のきほん

「平均値だけではNG」現場実態を見抜く数値の捉え方

本丸諒・サイエンスライター
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五つの数字の平均は6.6だが……
五つの数字の平均は6.6だが……

 平均値は計算が簡単で、理解しやすく使いやすい指標であることは間違いありません。しかし、「平均値は必ずしもまん中の値とは限らない」(前回参照)ことに加え、平均値にはもう一つ大きな弱点があります。それは「平均値だけで判断すると、実態を見誤るケースがある」ということです。今回はその理由を説明します。

平均値は同じでも結果は全然違う? 

 ある会社の採用試験で国語と数学のテストを行いました。両科目とも平均点は50点でした。平均点が同じであれば「国語と数学ともに同じような得点傾向(分布)だった」と判断してよいでしょうか。

 平均点だけでは全体の状況は予想できません。実は、結果は下のグラフのようになっていました。

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本丸諒

サイエンスライター

横浜市立大学卒業後、出版社に勤務。主にサイエンス分野の書籍を手掛け、月刊のデータ専門誌編集長を務める。独立後、編集工房シラクサを設立。日本数学協会会員。著書に「文系でも仕事に使える統計学はじめの一歩」(かんき出版)、「マンガでわかる幾何」(SBクリエイティブ)、「意味がわかる微分・積分」(ベレ出版)などがある。