職場のトラブルどう防ぐ?

29歳転職者が社会保険料「二重天引き」になった理由

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A輔さん(29)は6年間勤務した会社を退職し、知人に紹介された会社に転職しました。転職先から「一日も早く来てほしい」と言われ、在籍していた会社で残っていた年次有給休暇を消化している間に入社手続きをしたところ、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)を両社の給料から天引きされることになり戸惑いました。

 A輔さんが在籍していた会社は、退職者が最後の出勤日までに引き継ぎを済ませ、その後に有休を消化して退職するのが慣例でした。A輔さんも慣例に従いました。30日分の有休が残っていたので、有休を使い切ってから転職先で勤務を始めるつもりでした。

 しかし、転職先から入社をせかされ、在籍していた会社の有休が未消化のまま、転職先の入社手続きを済ませて働き始めました。転職先に入社後、健康保険証が交付され、給料からは社会保険料が差し引かれていました。

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/