藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

ミンスクの街を歩き考えた「ベラルーシ人」とは何者か

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ミンスク駅前広場に今も建つレーニン像。背後のビルもスターリン的(写真は筆者撮影)
ミンスク駅前広場に今も建つレーニン像。背後のビルもスターリン的(写真は筆者撮影)

 旧ソ連解体後に独立した国の中で唯一、ロシアべったりの体制を続けてきたベラルーシ。その首都ミンスクは、住民の4人に1人が命を落とした第二次大戦で、完全に破壊されてから再建された町だった。歴史を通じて侵略され続けてきたベラルーシ人とは何者であり、この国は今は何をもって独立しているのか?

 翌日。宿を出ると、すぐ横に17世紀(リトアニア大公国時代)創建の聖霊大聖堂があった。カトリック教会だったものが、ロシアの支配の進んだ19世紀に、正教会になっている。この国の成り立ちを凝縮した建物ともいえる。

 ベラルーシのベラは白、ルーシは東スラブ語を話す農耕民の総称だ。13世紀のモンゴル支配時代にできた、黒ルーシ(ロシア)、赤ルーシ(ウクライナ)、白ルーシ(=ベラルーシ)という呼称に由来する。その中のロシアは、後にモンゴルを追いやってさらにウクライナを征服するが、ベラルーシは14世紀にリトアニア大公国に組み込まれた。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。