
A美さん(42)は、夫が院長を務めるクリニックの事務長を務めています。2カ月前から経理担当として働いているB子さん(33)の夫からたびたびクレームが入るようになり困っています。
我流でミスを起こす新人の経理担当
B子さんは前の会社で経理事務を6年間経験し、前任者の退職に伴い採用されました。2人のパートとともに、診療報酬の計算や請求業務、50人ほどの看護師らスタッフの給与計算や社会保険の手続きを担当します。
A美さんは、B子さんの面接時に「自分の考えをはっきり口にする人」という印象を持ちました。クリニックは女性が多い職場です。看護師の中には気の強い人がいて、勤怠記録の書き方や提出期限など事務方の要望に素直に応えないケースがあります。A美さんは、事務方としてB子さんがしっかりと対応してくれるだろうと期待していました。
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井寄奈美
特定社会保険労務士
大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/