高齢化時代の相続税対策

「しがらみから争族へ」平成の30年が変えた相続の姿

広田龍介・税理士
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 平成もあと5カ月あまり。この30年を振り返れば、相続に対する納税者の意識は、改元前の昭和60年代と現在では大きく変化した。相続税の申告業務の中でそう感じている。

根強かった「家督相続」

 高度成長期からバブル経済に入る昭和60年代は、先祖代々の土地を守ってきた大きな地主や資産家がまだ大勢いた。こうした一族は、地域に根付いて地域と共に生活をしているように思えた。守るべき財産は「一族のため、地域のため」の財産であり、個人的、私的財産というよりも「公益的な財産」という考え方であったような気がする。

 しかも、その財産を守るための苦労は大変なもので、土地はあっても、お金がなく、「土地に縛られた番人」…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。