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「ソーシャル・レンディング」社会貢献の陰で怪しさも

浪川攻・金融ジャーナリスト

 特定の事業目的のためにインターネット上で少額投資を募るビジネスを「ソーシャル・レンディング」という。社会貢献などのために不特定多数の善意のお金を集める手法して普及してきている。だが、その一方では、すべてのソーシャル・レンディングが公正であるとは言い切れないような事態も生じている。

 今年6月、特定の政治家への資金流入という観点から話題となり、最終的に証券取引等監視委員会による処分を受けたのも、グリーンインフラレンディングというソーシャル・レンディングだった。数百億円の資金を集めたものの、募集目的とは異なる事業にその資金が支出されていたからだ。

 この一件の解明によって、一般には社会貢献など美名の下で語られてきているソーシャル・レンディングの悪用が露呈したと言える。

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金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。