ルノーと仏政府(3)
カルロス・ゴーン日産自動車前会長(64)を仏ルノーにスカウトしたのは、同社の会長兼最高経営責任者(CEO)だったルイ・シュバイツァー氏だ。ゴーン前会長が仏大手タイヤメーカー、ミシュランの北米部門CEOだった1996年のことだ。
シュバイツァー氏はフランスの財務官僚出身である。財務省予算局次長を経て産業担当相官房長、首相官房長を歴任した。首相の秘書長のような役割だ。当時のルノー公団で技術畑の総裁が就任する際にも政府側で深く関わった。総選挙が行われて首相が交代したため首相官房長を辞め、同総裁の引きでルノーに入社する。
1986年、その総裁が左翼テロで暗殺された。急きょ就任した後任者が6年トップを務めた後、92年、シュバイツァー氏が会長兼CEOになる。ルノーは96年に完全民営化するが、そうした時期のトップとして高級官僚出身のシュバイツァー氏はうってつけの人材だった。
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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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