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狙いはカジノ?巨費投じる大阪万博の「うさんくささ」

位川一郎・毎日新聞紙面審査委員
万博開催が決まり喜ぶ(右2人目から)松井一郎大阪府知事、経団連の榊原定征前会長、世耕弘成経産相ら=パリのOECDカンファレンスセンターで2018年11月23日(代表撮影)
万博開催が決まり喜ぶ(右2人目から)松井一郎大阪府知事、経団連の榊原定征前会長、世耕弘成経産相ら=パリのOECDカンファレンスセンターで2018年11月23日(代表撮影)

 2025年の大阪万博開催が決まりました。それを受けた11月24日以降の新聞各紙を見て、正面から開催を批判する声が少ないことに驚きました。「決まった以上は盛り上げよう」という空気です。しかし、この万博は、私には「うさんくさい」としか感じられません。

開催ありきでコンセプト後回し

 まず、何のために開くのかさっぱり分からない。万博誘致委員会のホームページによると、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。サブテーマは「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」です。「最先端技術」「ライフサイエンス」などもキーワードのようです。

 前向きな言葉が並んでいますが、あまりに漠然としていてぴんと来ません。スポーツの大会や芸術の祭典なら見に行く目的がはっきりしています。この万博に、見に行きたくなる魅力があるのか不明です。

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毎日新聞紙面審査委員

 1957年広島県生まれ。東京大経卒。81年埼玉新聞社入社。88年毎日新聞社入社。水戸支局、経済部、総合メディア事業局、地方部などを経て、2004~10年経済部編集委員。国土交通省、農水省、総務省などを担当し、ライブドア騒動、米国産牛肉の輸入再開、公共事業問題などを取材。13年から現職。