藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

かつてのポルトガル植民地「マカオ」の中国との距離感

藻谷浩介・地域エコノミスト
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マカオ旧市街に一番近い老舗カジノ・リスボン(写真は筆者撮影)
マカオ旧市街に一番近い老舗カジノ・リスボン(写真は筆者撮影)

中国・マカオ編(1)

 名前は誰でも知っているだろうが、ギャンブル好きでもない限りわざわざ行く機会の乏しいマカオ。香港と比べても、人口は12分の1の60万人で、面積となれば3%弱しかない。東京でいえば千代田区+港区程度の大きさの、この猫の額のような「国際観光専業都市」は、今どうなっているのか。

香港から高速船でマカオに向かう

 2016年4月。旧知のまちづくり関係者の台北、香港、マカオ視察に一部同行し、その前後と途中にフィリピン・マニラ、台湾・高雄、ベトナム・ハノイに立ち寄るという行程を、6日間でこなした。日本から飛べばそれぞれ片道3~6時間かかる場所が、相互の間は1~2時間で飛べるほど近い。戦国時代末期には多くの日本人航海者も行き交っていただろうエリアである。

 香港で夜景を堪能した翌日。九龍半島の専用埠頭(ふとう)から、マカオ行きの大型高速船に乗船した。片道…

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外105カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。