地域活性化の挑戦者たち

“ディープな墨田区”を伝える55歳相談役の発信力

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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久米繊維工業相談役の久米信行氏(左)=櫻田弘文提供
久米繊維工業相談役の久米信行氏(左)=櫻田弘文提供

 多くの中小製造業が集積し、「ものづくりの街」として知られる東京都墨田区が、国内外から観光客を呼び込むことに力を入れている。2012年の東京スカイツリー開業がきっかけとなり、「観光都市」としての魅力を高めつつある。墨田区観光協会理事で、老舗国産Tシャツメーカー・久米繊維工業相談役の久米信行氏(55)は、理事の仕事とは別に「勝手に観光協会」を名乗り、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で墨田区のPRに努める。

 東京スカイツリー開業以降、墨田区内にはさまざまな文化施設ができた。日本たばこ産業(JT)の「たばこと塩の博物館」が15年に渋谷区から移転し、オープン。16年には、現在の墨田区本所周辺で生涯を過ごした浮世絵師、葛飾北斎の作品を展示する「すみだ北斎美術館」が開業した。浮世絵は海外でも知名度が高く、観光の目玉になる。

 こうした文化施設などの知名度を高める活動に取り組んでいる久米氏は、00年ころから独自に「勝手に観光協会」を名乗り、墨田区の隠れた魅力を発信している。「勝手に観光協会」の活動に欠かせないのがSNS。発信する内容は、グルメや中小企業などに関することだ。「今では観光の形が変わりました。路地裏にある何の変哲もない中小企業に興味を持つ人が増えています」と語る。

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。