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米中激突や消費増税…今年の「経済リスク」を検証する

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
2019年の日本経済はどうなるか…
2019年の日本経済はどうなるか…

 新年だから今年の経済のことを考えたい。ズバリ日本経済は、いくつかのリスクを乗り切れれば、安定成長が見込まれる。ただ、リスクがどこまで広がるか、それに耐えられるか、がポイントだ。

予測不能の「トランプ政策」

 年末は株価が大きく下落した。「トランプ大統領のせいだ」と言えばそれまでだが、この状況は2019年はもっと複雑化していきそうだ。

 ひとつ言えることは、米国が中国からの輸入品に高関税をかけることは、中国だけではなく、米国企業にとってもデメリットが大きいということだ。20年の米大統領選挙までに米国企業からの反発が大きくなれば、トランプ大統領の対中強硬姿勢も修正され、高関税の一時棚上げの可能性もある。

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第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。