良い物をより高く売る経営

百貨店全滅にヨーカドーも閉店へ 釧路市に見る現実

中村智彦・神戸国際大学教授
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JR釧路駅前=筆者撮影
JR釧路駅前=筆者撮影

 北海道の主要都市の一つで道東に位置する釧路市は、中心市街地が空洞化した「見本」と言われるほど大きく状況が変化してきた街だ。現在は、郊外に進出した大型店の撤退問題が浮上する厳しい局面を迎えているが、一方で中心市街地で変化の「芽」が出始めている。釧路市がたどってきた経過と今後の可能性について、2回に分けて報告する。

 北海漁業の基地として隆盛を誇った釧路市は1980年に人口22万人を超えていた。89年に中心市街地の活性化と観光客誘致を目指して、JR釧路駅から南に徒歩15分ほどの場所に「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」という大型商業施設ができた。バブル経済下の当時、同施設は民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法(民活法)の適用第1号として華々しく開業した。

 しかし、バブル崩壊や北海道経済の悪化に伴い、同施設を支えていた西武百貨店が98年に店舗と外商部を撤退。現在は、観光客向けの土産物店と行政機関の事務所などが入居している。そして漁業の低迷などもあり、現在の釧路市の人口は17万人ほどだ。

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中村智彦

神戸国際大学教授

1964年、東京都生まれ。88年、上智大学文学部卒業。96年、名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。外資系航空会社、シンクタンクで勤務。大阪府立産業開発研究所、日本福祉大学経済学部助教授を経て、現職。専門は中小企業論と地域経済論。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興のプロジェクトに数多く参画し、TBS系「坂上&指原のつぶれない店」にも出演。