
南アフリカ編(2)
シンガポールとヨハネスブルクで乗り換え、羽田から24時間少々かけてたどりついた、南アフリカ共和国のケープタウン。都心の北西に取っていた宿は豪華マンションの一室を使った、寝室二つにリビングもある民泊施設だった。少し体を休めた後、ホテルの周辺からウオーターフロント地区までを探検する。
テーブルマウンテンは残念ながら見えず
ケープタウン名物といえば、市街の背後にそそり立つ、標高1087メートルのテーブルマウンテンだろう。しかるに今日の天気はぼそぼそした雨で、一帯は低い雲に覆われ、山体はまったく見えない。
だが8月初旬(北半球の2月初旬に当たる)にもかかわらず、日本の菜種梅雨という感じの湿気と気温で寒くはない。ここは南緯34度なので、日本で北緯34度の九州北部の冬なみには冷え込むのかと思っていたが、さらに温暖だ。傘を持ってホテルの周辺から歩き始める。
この記事は有料記事です。
残り2923文字(全文3308文字)
投稿にはログインが必要です。
藻谷浩介
地域エコノミスト
1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。