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パウエルFRB議長の19年金融政策の「本音」を読む

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
FRBはどのような判断をするのか
FRBはどのような判断をするのか

 昨年末の米国の株価は、文字通り乱高下した。投資家が弱気になったり、強気に変わったりしたからだ。

 2019年の初めも、それを象徴する経済統計データが発表された。18年12月のISM(米サプライ管理協会)製造業景気指数は急落。スマートフォンの販売が芳しくない。トランプ大統領の対中制裁関税が効いてきたからだろう。反対に、12月の雇用統計は、前月比31万人増という著しい増加であった。クリスマス商戦の好況を裏付けるものだ。筆者もデータを見て、米国経済は好調なのか不調なのか、大いに迷う。

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第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。