藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

ケープタウンからアフリカ最南端アグラスへ車を駆る

藻谷浩介・地域エコノミスト
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アフリカ最南端・アグラス岬に向かうオバーバーグ地方には、羊の牧場に菜の花畑が織り交ざる、美しい丘陵地が広がっていた(写真は筆者撮影)
アフリカ最南端・アグラス岬に向かうオバーバーグ地方には、羊の牧場に菜の花畑が織り交ざる、美しい丘陵地が広がっていた(写真は筆者撮影)

南アフリカ編(3)

 聞いていたレベルまでの治安の悪さは感じなかったケープタウンのダウンタウンで、5日間の契約でレンタカーを借りた筆者と長男。11時に豪華民泊をチェックアウトして、いよいよ南アフリカ長距離ドライブに出発する。まずは南に向かって、有名な喜望峰を目指したのだが……。

美しい海岸沿いの道を喜望峰に向け走る

 ケープタウンは「アフリカの南端にある町」という印象だが、その港は実際には北に面している。この連載で紹介したスリランカのコロンボやレバノンのベイルートと同じ地形で、南北方向に走る海岸から、しゃくり上げた左肩のように西に突き出した岬の、北面に市街が築かれているからだ。南半球なので、その方が日当たりもいい。そして、南に細長く延びる喜望峰(ケープ・オブ・グッド・ホープ)までは、ここからまだ70キロも南下しなくてはならない。

 市街の背後にはテーブルマウンテンがそびえたっているはずなのだが、その手前のシグナルヒルまでもが、今…

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外105カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。