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ガチガチすぎる「成年後見制度」が家族に嫌われる理由

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

高齢者の資産管理(2)

 「大認知症時代」が間近に迫っている。2030年には認知症の人が744万人に達する見通しだ。だが、判断能力が低下した人を法的に保護する成年後見制度はスタートから約20年になるが、活用はなかなか進まない。制度の抱える問題点を探った。

「任意」と「法定」の違い

 成年後見制度は、判断能力が十分ではない人の権利を守る援助者を選び、法律的に支援する仕組みだ。制度の種類は大きく二つある。

 まず、判断能力が問題ない時に、将来判断能力が不十分になった場合にしてほしいことを、あらかじめ選んだ人と契約で決めておく「任意後見」だ。本人が認知症などになった時、家庭裁判所への申し立てを経て効力が発生する。

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。