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不正防いで資産管理「成年後見制度」支える金融商品

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

高齢者の資産管理(3)

 成年後見制度は認知症などで判断能力が衰えた人を保護するものだが、使い勝手の悪さから、利用者は約21万人(2017年)と伸び悩む。こうしたなか、資産を守りながら使い勝手を改善するための金融商品も登場している。中身や注意点を見てみよう。

不正の9割以上は親族後見人の着服

 成年後見制度の利用が進まないのは、手続きに手間がかかったり、自由がききにくかったりして、認知症の人を持つ家族がメリットを感じにくいためだ。

 成年後見人は、家族であっても、本人(被後見人)の財産の処分については厳しくチェックされる。例えば「本人の介護のために必要」と考えて自宅を売却したくても、家庭裁判所に許可されないことがあり、許可されたとしても時間がかかる。家裁には定期的に財産と収支を報告しなければならない。

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。