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「働き方改革」だけで生産性が上がるワケがない

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
 
 

 この約1年間、ずっと考え続けてきたテーマがある。企業や国の生産性を高めるにはどうすればよいかという問題である。

 少し挑発的なことを言わせてもらうと、最近よく耳にする生産性のかけ声には怪しいものが多い。「働き方改革によって生産性を上げる」「生産性の低い会議は極力やめよう」などという掛け声がどこの企業でも言われる。ある人は、単に残業しないことを生産性を高めるためと称したりする。

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第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。