高齢化時代の相続税対策 フォロー

引き取りに1000万円 伊豆別荘地「負動産」の現実

広田龍介・税理士
 
 

 Iさん(60)は東京都千代田区で築60年の賃貸ビルを経営する会社の社長だ。自分が生まれた年に祖父母が建てたビルを3代目社長として守ってきたが、今は、その幕引きという大役を担わされている。

親戚一同「建て替えは不安」

 会社は1957(昭和32)年に祖父母が設立し、直後にビルを完成させて賃貸経営を始めた。その後、Iさんの父(89)らきょうだい3人が経営を引き継ぎ、現在は、孫世代であるIさんと従姉のY子さん(70)、そして父の3人が役員を務めている。

 祖父母はすでに亡くなったが、父の姉(92)と少し認知症が始まった弟(86)ら、きょうだいは3人とも健在。相続対策の生前贈与で、株式は孫世代の従弟たちに分散されており、毎年の株主総会は、親戚たちが食事会を兼ねて集まる楽しみの場になっている。

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税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。