地域活性化の挑戦者たち

甲府銀座通り商店街「25坪の書店」が生き残れるワケ

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
  • 文字
  • 印刷
毎月第1金曜日に春光堂書店で行われる読書会=筆者提供
毎月第1金曜日に春光堂書店で行われる読書会=筆者提供

 甲府市のJR甲府駅から南に徒歩10分ほどのところにある昔ながらのアーケード街「銀座通り商店街」には、昨年創業100年を迎えた「春光堂書店」がある。売り場面積25坪(約83平方メートル)の街中の書店だが、同店の棚構成の仕方や地元図書館との連携を通じた「地元の知を編集する」活動が全国の同業者から注目を集めている。けん引役は、同店4代目社長の宮川大輔さん(44)だ。

 全国の書店経営が厳しい状況にある中、春光堂書店は売り上げを維持している。そんな同店の特徴が、棚の編集の仕方だ。本のラインアップと構成の仕方が独特なのだ。従来は本の種類や判型、ジャンルごとに並べていたが、「暮らしに発見の種を」をコンセプトに「感じる」「考える」「つくる」といったテーマごとに本をそろえている。カルチャーや暮らし関連の売れ行きが好調だ。

 宮川さんは、「私が厳選したものだけを並べることで個性が際立ちました」という。それをブログで紹介する人や「移住のきっかけにしました」という人が現れ、宮川さんは小さな本屋の可能性を感じられるようになった。

この記事は有料記事です。

残り1831文字(全文2289文字)

櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。