高齢化時代の相続税対策

創業61年会社の幕引き「清算より売却が得」の理由

広田龍介・税理士
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 東京都千代田区で賃貸ビルを経営する会社の3代目社長Iさん(60)。老朽化したビルの建て替えは見送り、テナントが入ったままビルを売却して会社を清算することが役員会で決まった。前回に続き、会社の幕引きを任されたIさんのケースを紹介しよう。

「あとは残った現預金を分配するだけ」

 Iさんは奔走し、会社の実物資産を全て売却処分、債務もすべて弁済した。これで現預金だけの会社になった。

 事務所は、帳簿、伝票、請求書や領収書が詰まった段ボール箱が山積みになったが、これらは創立61年の会…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。