
A実さん(55)は、チェーン展開する自宅近くのクリーニング店で受付のパートとして働いています。昨年「働き方改革」への対応で店舗に定休日が設けられ、今年からは営業時間が短縮されました。そのためパート収入が減り、困っています。
交代制で1日6時間勤務に
当初、店舗の営業は盆休みと年末年始休暇を除いて年中無休で、営業時間は午前8時から午後8時でした。A実さんは今の職場で10年以上働き、平日の週5日、午前8時から午後5時まで勤務し、途中1時間の休憩という契約でした。
ただ、受付は1人で行うため丸々1時間の休憩は取れません。来客が途絶えた時にバックルームで弁当を食べたり、お茶を飲んだりする程度でした。会社側も事情を理解していたため、休憩時間の1時間のうち30分は業務をしているとして、A実さんには1日あたり30分の残業代が支払われていました。
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井寄奈美
特定社会保険労務士
大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/