ニッポン金融ウラの裏

日銀保有ETF21兆円と「昭和40年不況」の棚上げ策

浪川攻・金融ジャーナリスト
  • 文字
  • 印刷
記者会見で質問に答える黒田東彦・日銀総裁=2019年1月23日、後藤豪撮影
記者会見で質問に答える黒田東彦・日銀総裁=2019年1月23日、後藤豪撮影

 日銀がマイナス金利政策を発動して早くも3年になる。いまのところ、日銀がマイナス金利政策を脱却する見通しは立っておらず、金融機関の利ザヤ悪化はなかなか解消できそうもない。それに並んで、将来のあり方が議論されてしかるべきなのが日銀による上場投資信託(ETF)保有である。

 日銀の公表資料によると、18年9月末時点において、日銀が保有するETFの額は21兆6513億円に達している。日銀は年間6兆円ペースでETFを買い入れており、いまも保有額は積み上がっている。ETFの市場規模は40兆円程度の規模とみられ、ETF市場で日銀は圧倒的な買い手となっている。現状は「池の中のクジラ」(大手証券関係者)と言われるほどのプレゼンスである。

 日銀によるETF買い入れは量的緩和政策の一環だが、それにしても、この購入規模は「需給面からETF市場の価格形成に絶大な影響力を及ぼしている」(同)と指摘されている。マイナス金利政策の副作用が論じられているが、ある意味では、こちらも副作用が無視できない状況と言えるだろう。

この記事は有料記事です。

残り742文字(全文1191文字)

浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。