「自己保身社会」の現実

百貨店勤務40代女性が「リストラ部屋」で見たもの

片田珠美・精神科医
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<事例編>

 某有名百貨店に勤務していた40代の女性社員は、職場でいじめを受けた。このいじめは、彼女が退職勧奨を拒否した頃から始まった。

 売上高が年々減りつつある百貨店業界は、「斜陽産業」と呼ぶのがふさわしく、郊外や地方の店舗の閉鎖の発表も相次いでいる。彼女の勤務先も例外ではなく、リストラが進められた。

 表向きは希望退職制度だが、実質的には肩たたきである。給料が高いベテランや能力不足の社員を中心に肩た…

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片田珠美

精神科医

 広島県生まれ。大阪大学医学部卒。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。パリ第8大学精神分析学部で学ぶ。精神科医として臨床に携わり、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から研究している。「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)、「高学歴モンスター」(小学館新書)など著書多数。