藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

南ア首都プレトリアで思い知る「マンデラの偉大さ」

藻谷浩介・地域エコノミスト
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首都プレトリアを見下ろす丘の上に立つネルソン・マンデラの銅像(写真は筆者撮影)
首都プレトリアを見下ろす丘の上に立つネルソン・マンデラの銅像(写真は筆者撮影)

 総走行距離2800キロ。ひたすら車を疾走させる5日間が終わり、筆者と長男は無事、ヨハネスブルク東郊外にある、O・R・タンボ空港まで戻ってきた。レンタカーの返却場所は、空港前の立体駐車場の中にあった。降りて確認して初めて気づいたのだが、前面バンパーが破損し、外れかけている。路上に落ちていた速度制限標識をひっかけた際に、ついた傷だろう。しかし幸い、フルカバーの保険を掛けていたため、おとがめはなかった。

 今晩のホテルは空港に隣接しているはずなのだが、行き方がわからない。レンタカーの係員に聞くと、親切に10分も歩いて送ってくれた。従業員専用のところを抜けないと歩いては行けない仕組みで、通常はシャトルバスを使う。チップを払おうとしたら、「友人としてやったことで、要らない」と言われた。「ヨハネスブルクの都心に行くなら、誰か友人に案内してもらうことだね。そうすればノープロブレムで歩けるよ」とも言われたが、あいにくその友人がいない。

 ホテルは日本のビジネスホテル並みの値段で、部屋はずっと広く清潔だった。夕食はルームサービスにして、サブドライバーとしての役割をちゃんと果たした長男と、ワインを傾けてくつろぐ。値段は日本の3分の1程度だった。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。