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会社で最も面倒なのは「部下に嫉妬する上司」との遭遇

舟木彩乃・産業心理コンサルタント・カウンセラー
 
 

 私はこれまで10年以上、会社勤めの社会人を中心に、心理的な苦痛の改善やキャリアに関するカウンセリングをしてきました。最近増えているのが、必要以上に気を使わなければいけない「面倒な上司」についての相談です。

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 「面倒な上司」という言葉から、どんな上司像を思い浮かべますか。「土壇場で修正を入れる」「頭ごなしに指示命令をする」「えこひいきが甚だしい」「機嫌の良しあしが激しい」「無意味な手続きにこだわる」――。どのタイプも自分の上司になったら面倒くさそうですが、このような面倒な上司の最上位に君臨するのは「部下に嫉妬する上司」です。

 「面倒な上司」にはさまざまなタイプがあります。「嫉妬」は誰でも持ち合わせている感情ですが、必要以上に「部下に嫉妬する上司」は、自分のことを褒めたたえる部下は可愛がり、自分を否定したり、将来的に下克上を起こしそうな部下の活躍を阻むという傾向がしばしば見られます。

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産業心理コンサルタント・カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。金融庁職員のメンタルヘルス対策にも従事する。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。