
厚生労働省による「毎月勤労統計」の不正調査問題が国を揺るがしている。信頼すべき国の統計の調査に瑕疵(かし)があり、信ぴょう性が疑われるという事態が深刻な問題であることはいうまでもない。まったく困った事態である。
この毎月勤労統計の問題とは少し趣は違うが、同じように政府が公表している数値で筆者がつねづね疑問に思っているものがある。それは、内閣府が経済財政諮問会議に提出している「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)だ。
中長期試算は、日本の経済情勢について数年後の見通しを示すものだ。だが、毎年出してきたこの試算の経済成長率の見通しは、先行きに対してバラ色すぎて、「現実離れしている」との批判が出ていた。
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