
インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方をめぐり、両国間の緊張が高まっている。同地方で起きたテロ事件をきっかけに2月末、インド空軍機がパキスタン北東部のイスラム過激派の拠点を空爆した。その後、パキスタン軍がインド空軍機2機を撃墜し、核保有国同士の“報復合戦”に発展している。
インドとパキスタンの争いは、空爆など目に見える形だけではない。サイバー空間でも、戦いが20年近く続いている。
両国間のサイバー攻撃で2000年ごろからよく使われるのは、政府やマスコミのウェブサイト改ざんだ。ウェブサイトに相手国を罵倒する言葉を残し、相手に恥をかかせる。08年11月のムンバイ同時多発テロの直後にはサイト改ざんが一気に広がった。
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松原実穂子
NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
早稲田大学卒業後、防衛省で9年間勤務。フルブライト奨学金により米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。その後、米シンクタンク、パシフィックフォーラムCSIS(現パシフィックフォーラム)研究員などを経て現職。国内外で政府、シンクタンクとの意見交換やブログ、カンファレンスを通じた情報発信と提言に取り組む。