藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

最後のアフリカ古王国「エスワティニ」の意外な繁栄

藻谷浩介・地域エコノミスト
  • 文字
  • 印刷
ムババーネ南郊のハイランズビュー地区にある豪華ゲストハウスにてマネジャーと(写真は筆者撮影)
ムババーネ南郊のハイランズビュー地区にある豪華ゲストハウスにてマネジャーと(写真は筆者撮影)

 エスワティニ。スワジ語で「スワジ族の国」。2018年4月に同じ意味の英語であるスワジランドから改称したのだが、もともと知られていない国が、ますますどこかわからなくなってしまった。国の三方を南アフリカに囲まれながら、国王に権力が集中した体制を取る“最後のアフリカ古王国”とも呼ばれるこの小国の実態は?

 2019年1月。前年の南アフリカドライブ旅行で入国に失敗したレソトとエスワティニに、しつこくも空路で訪れようと考えた筆者。エスワティニもレソトも、空路ではヨハネスブルクとのみ結ばれている。南アフリカ航空の近距離ネットワークを担うエアリンク社の、2×1列の小型ジェット機(エンブラエルERJ135)が、どちらも1日に3~4往復運航。所要時間55分、往復4万円弱。しかし着いてみたエスワティニの様子は、レソトとはずいぶんと違っていたのである。

 ボツワナの首都ハボローネから、ヨハネスブルク空港で南アフリカに入国せずに乗り換えて、エスワティニへ。朝8時前発で、午前11時前着。南アフリカ航空の国際航路ネットワークは定時発着で機能していた。

この記事は有料記事です。

残り2887文字(全文3354文字)

藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外109カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。