藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」

サハリン「ユジノサハリンスク」旧樺太の地の今は

藻谷浩介・地域エコノミスト
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ユジノサハリンスク市街でのイベントにいた着ぐるみ。ちょっと不気味なところがロシア的?(写真は筆者撮影)
ユジノサハリンスク市街でのイベントにいた着ぐるみ。ちょっと不気味なところがロシア的?(写真は筆者撮影)

 ロシア・サハリン州の、州都ユジノサハリンスク(日本語にすれば「南サハリン市」)。成田空港から直行便で2時間半、新千歳空港からだと1時間20分のこの町は、1905年から45年の40年間「豊原」と呼ばれ、日本の樺太庁が置かれていた。ロシア人相手の地域振興講座の講師として出向き見聞した“欧州になった日本”のいま。

 2018年6月末。筆者は、日本政府が1996年に設置した「サハリン日本センター」の講師として、3泊4日でユジノサハリンスクに出張した。初日の夜に入国し、中の2日間は9時過ぎから17時前まで、ロシア人向けの講義をみっちり行ったのだが、講義後の夕方と帰国日の朝に、わずかながら街歩きをする時間があった。講座自体でのやりとりを含め、サハリンという場所と、そこに住まうロシア人たちの今について、「なるほど……」という思いで学んだのである。

 私が50歳になって海外旅行を再開してから、すっかりなじみとなった成田空港。しかしその片隅から週2便、ヤクティアエア(シベリアのヤクーツクを本拠とする航空会社)のユジノサハリンスク行きが出ていたとは知らなかった。搭乗したのはロシアのスホーイ社製の小型ジェット機「スーパージェット100」。2011年から商業運航され始めた新しい機材だ。

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藻谷浩介

地域エコノミスト

1964年山口県生まれ。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問し、地域特性を多面的に把握する。2000年ごろから地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行う。著書に「デフレの正体」「里山資本主義」ほか多数。国内の鉄道(鉄軌道)全線を完乗した鉄道マニアでもある。