
サラリーマンであれば、顧客から怒鳴られることもあるでしょう。それ自体は愉快な話ではありませんが、時にはそれが個人的な信頼を得るチャンスになることがあります。
プロジェクト遅延で顧客が激怒
私がIT企業のプロジェクトマネジャーだったころ、担当する顧客企業の課長からひどく怒鳴られたことがあります。私自身の問題というよりは、会社同士の契約上の行き違いが問題で、その原因は当時の上司である部長の安請け合いでした。
私のチームは当時、顧客企業に常駐してシステム開発を行っていました。しかしプログラマーの人数が足りず、作業が遅れがちでした。それを知った顧客側の課長から「金は払うから人を増やしてくれ」と要望を受けました。私の上司である部長は「すぐに増員します」と言ったきり、何も動かないまま数カ月が過ぎ、プロジェクトは回復が見込めないほどに遅れてしまいました。
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細川義洋
ITコンサルタント
1964年、神奈川県生まれ、立教大学経済学部経済学科卒。NECソフト(現NECソリューションイノベータ)、日本IBMでシステム開発やコンサルティングを行う。著書に「なぜ、システム開発は必ずモメるのか?」「IT専門調停委員が教える モメないプロジェクト管理77の鉄則」(日本実業出版社)などがある。