パチスロ最大手「大騒動」

「拒まれた株主総会」パチスロ創業者が配った抗議ビラ

編集部
パチスロ機製造最大手で、フィリピンでカジノとホテルの運営も行うユニバーサルエンターテインメントの本社
パチスロ機製造最大手で、フィリピンでカジノとホテルの運営も行うユニバーサルエンターテインメントの本社

株主総会「出席拒否」(2)

 パチスロ機製造大手、ユニバーサルエンターテインメント(ジャスダック上場)が3月25日に開いた定時株主総会で、“門前払い”された前会長の岡田和生氏(76)は、同日昼ごろ、東京都江東区の本社にも押しかけた。

 岡田氏は2年近く前に同社の取締役を事実上、解任され、本社内への出入りを禁じられている。この日も同社の受付で「事前のアポイントがない」などと社内に入ることを拒否された。

株主に渡されたビラ

 株主総会や本社に押しかけて、岡田氏は何を主張したかったのだろうか。この日、岡田氏は「ユニバーサルエンターテインメント代表取締役社長に『異議あり!!』」と書いたビラを持参し、株主総会に来た他の株主に渡していた。

 ビラには、「岡田元会長に対する執拗(しつよう)な名誉毀損(きそん)、不適切な情報操作が行われている」などと書かれていた。岡田氏はもともと、取締役解任の理由となった「資金の不正な流用」について記者会見などを開いて否定してきた。

 さらにビラには、「岡田元会長が新たな犯罪を行ったかのように見せかけている」とあった。「会社は、元会長が『複数の賄賂』に関する容疑で、香港の汚職取り締まり機関に逮捕されたなどと公表した。『贈賄事件』などはそもそも存在しない。悪質な情報操作である」というのだ。

 これは、2018年8月にユニバーサル社が適時開示した資料「岡田和生氏の逮捕について」を指す。公表資料には、「岡田氏は複数の賄賂に関する容疑・罪状で香港の捜査当局に逮捕され、保釈された」ことが書かれていた。

 岡田氏はこの件について、香港の捜査当局から取り調べを受けたことは否定していない。だが、今年2月に香港当局が告訴を却下し、無実であることが証明されたと主張しているのだ。

ユニバーサルエンターテインメントの創業者で、会長として実権を握っていた岡田和生氏=東京・霞が関の司法記者クラブで2017年9月14日撮影
ユニバーサルエンターテインメントの創業者で、会長として実権を握っていた岡田和生氏=東京・霞が関の司法記者クラブで2017年9月14日撮影

食い違う両者の主張

 この件を会社側に確認したところ、「『複数の賄賂』の容疑については、香港捜査当局から情報を得た事実であり、現状も当局が捜査を継続していることを確認している」と反論した。両者の主張は大きく食い違う。

 経済プレミア編集部は株主総会の2日後の3月27日、岡田氏に電話で話を聞いた。岡田氏は「香港の件は、何の犯罪事実もなく、捏造(ねつぞう)だ」と改めて主張した。さらに、「マスコミは会社の言い分ばかり書く。これからは自分の主張はインターネットで発信していく」と語った。

 実は3月中旬から、ツイッターとユーチューブで岡田氏は自らの映像とともに情報を発信し続けている。次回、詳しく報告する。

 <次回「大手パチスロ創業者まさかの「ユーチューバー」に!?」>

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 経済プレミア編集部は17年6月以降、ユニバーサルエンターテインメント社の創業者の“追放劇”を取材し、連載「パチスロ最大手『大騒動』」を掲載してきました。これまでの経緯を振り返ります。

 発端となった17年6月の株主総会は次のようなものでした。

大手パチスロ創業者会長が“事実上解任”の大騒動(17年6月27日)

大手パチスロ株主総会の受付で創業者会長が“押し問答”(6月29日)

 同年8月には、会社が委嘱した調査委員会が、岡田氏の資金流用問題をめぐる調査報告書を公表しました。

パチスロ大手で「前会長が22億円不正流用」報告書公表(8月30日)

大手パチスロ前会長側が「不正認定は名誉毀損」と反論(9月1日)

「会社を取り戻す!」追放されたパチスロ前会長が“気炎”(9月15日)

編集部

長く経済分野を取材してきた今沢真・毎日新聞論説委員を編集長にベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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