名家のルーツ

銀座の雄「松屋百貨店」を育てた古屋家のM&A戦略

森岡浩・姓氏研究家
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松屋銀座=2019年3月20日、田中学撮影
松屋銀座=2019年3月20日、田中学撮影

 近年、阪急と阪神、三越と伊勢丹など百貨店の統合が進み、江戸時代から続いていた同族による経営がなくなりつつある。そうした中、統合することなく独自路線を歩んでいるのが銀座と浅草に2店舗を構える松屋百貨店である。特に、銀座における松屋銀座の存在感は現在でも大きい。

横浜で呉服店を創業

 松屋の創業家は、山梨県出身の実業家たちを指す甲州財閥の一つの古屋家だ。他の百貨店と同じく呉服店に由来するが、その創業は幕末と遅く、百貨店に転じたのも後発である。

 ただし古屋家自体の歴史は古い。清和源氏武田氏の一族といい、先祖の古屋道忠は戦国時代に武田勝頼に仕え…

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森岡浩

姓氏研究家

1961年、高知県生まれ。早稲田大学在学中に独学で姓氏研究を始める。文献調査やフィールドワーク、統計を用いた実証的手法を用いる。2017年4月からNHK「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」に出演。著書、多数。