地域活性化の挑戦者たち

「患者の心をいやす」似顔絵師のプライドかけた挑戦

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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村岡さんの描いた似顔絵を見る看護師たち=村岡ケンイチさん提供
村岡さんの描いた似顔絵を見る看護師たち=村岡ケンイチさん提供

 イラストレーターの村岡ケンイチさん(37)は、病院や介護施設、老人ホームなどで過ごす人たち向けの「似顔絵セラピー」という活動を行っている。これまで140カ所以上で3000人以上の似顔絵を描き、顔の特徴を強調し水彩で描く作風で患者や入所者、その家族や医療関係者を笑顔にしている。

 最近では医療関連のシンポジウムにパネリストとして招かれたり、メディアに取り上げられたりして、似顔絵セラピーの魅力を伝える機会を得ている。また、小児医療センターからの依頼で、施設内の壁に子供たちが楽しめる大きな壁画を描いたこともある。

 村岡さんは、1982年生まれで広島県廿日市市の出身だ。幼いころから絵を描くのが好きで、高校卒業後は名古屋芸術大学に進学。2年時からイラストレーションを専攻し、自身の将来につながる経験を得た。オープンキャンパスの高校生対象の体験入学プログラムで、来場者の似顔絵をその場で描くコーナーを仲間5人と開いた。すると、ユニークな似顔絵ができ、モデルとなった女子高校生も含めて全員が大笑いした。

 村岡さんは、「私も含めて仲間たちは似顔絵を描くのが初めてで技術的にまだまだでしたが、場の空気を一変させてしまう似顔絵の力に驚かされた瞬間でした」と言う。似顔絵を極めれば独自の強みになる、という思いが湧き上がってきた。

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。