メディア万華鏡

相次ぐ性犯罪「無罪」判決に欠けた“被害者の心理”

山田道子・毎日新聞紙面審査委員
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 準強制性交――「新聞の見出しにはとってほしくない」と書いた前々回の記事がアップされた3月11日の翌日、毎日新聞夕刊を見て、ぎょっとした。「準強姦(ごうかん)被告に無罪判決」。サブ見出しは「『女性許容と誤信の可能性』 地裁久留米支部」。

「女性の許容を誤信」と判断した地裁判決

 飲酒によって意識がもうろうとなっていた女性に性的暴行をしたとして、準強姦罪に問われた福岡市博多区の男性会社役員(44)に対し、福岡地裁久留米支部が3月12日、無罪を言い渡した。西崎健児裁判長は、女性が「抵抗できない状態だった」と認定したうえで、女性が目を開けたり、何度か声を出したりしたことなどから、「女性が許容していると被告が誤信してしまうような状況にあった」と判断した。

 性暴力事件の無罪判決が続いている。産経新聞の同21日朝刊には「静岡の女性乱暴 無罪 メキシコ人被告…

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山田道子

毎日新聞紙面審査委員

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞入社。浦和支局(現さいたま支局)を経て社会部、政治部、川崎支局長など。2008年に総合週刊誌では日本で一番歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長を経て15年5月から現職。