海外特派員リポート

英離脱派が大合唱する“第2国歌”に込められた思い

三沢耕平・毎日新聞経済部編集委員(前ロンドン特派員)
  • 文字
  • 印刷
「(EU離脱の)延期は裏切りだ」などと書かれたプラカードを手に議会前の道路をデモ行進する離脱派市民ら=2019年3月29日、三沢耕平撮影
「(EU離脱の)延期は裏切りだ」などと書かれたプラカードを手に議会前の道路をデモ行進する離脱派市民ら=2019年3月29日、三沢耕平撮影

 欧州連合(EU)からの離脱を巡り、英国が大混乱に陥っている。メイ首相とEUが合意した離脱協定案を英議会が否決し続けたためで、「決められない政治」への不信感も広がっている。そもそも英国人はなぜEUから離脱したいのか。離脱派を支持する人たちが好む英国を象徴する歌にそのヒントが隠されている。

 「英国人は、決して、決して、奴隷にはならないぞ!」。英下院がメイ首相の協定案を三たび否決した3月29日午後。ウェストミンスターに集結した数千人の離脱派市民が大合唱していたのは英国第二の国歌といわれる「ルール・ブリタニア」だ。

 「ルール(Rule)」は「統治」を意味し、「世界を統治するのは英国人だ!」「奴隷にはならないぞ!」という歌詞が繰り返される。離脱派はEUの官僚が作る法律に支配されず、主権を取り戻そうと訴えてきた。EU加盟国であることをEUの「奴隷」と捉える離脱派の思いに通じることもあり、涙を浮かべながら歌っている人もいた。

この記事は有料記事です。

残り1177文字(全文1589文字)

三沢耕平

毎日新聞経済部編集委員(前ロンドン特派員)

1972年千葉県生まれ。明治大学法学部卒。98年毎日新聞社入社。松本、甲府支局を経て、2004年から経済部で財務省、日銀、財界などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。16年10月から欧州総局特派員。19年10月から経済部編集委員。