
銀行業界でデジタルマネー導入の動きが続いている。みずほグループは独自のデジタルマネー「J-COIN」を3月からスタートし、三菱UFJグループも「MUFGコイン」を今年から本格導入する構えだ。
デジタルマネーは、政府が提唱する「キャッシュレス社会」の一環として注目されてきた。銀行業界では、現金を取り扱う業務コストを削減する観点からもデジタルマネー導入の動きを強めてきた。
しかし、銀行業界の姿勢に対し「利用者目線が乏しく、自分たちのご都合で前のめりになっている」という冷たい声が小売業界などから出ている。銀行主導のデジタルマネーが決済手段として本当に消費市場に定着するか、疑問を投げかける向きが少なくない。
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浪川攻
金融ジャーナリスト
1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。