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30年間上がり続けた社会保険料「給料手取り減」の正体

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

平成「30年の家計史」(4)

 平成の30年間で、家計収入は「増えず・ためられず」の傾向が強まった。人手不足にあっても収入はなかなか伸びないが、もう一つ「手取りが減っている」という面も大きい。

年収700万円で手取り「25万円減」

 総務省「家計調査」で「2人以上の勤労者世帯」 について、月収(全国平均)の動きをみると、1997年の59万5000円をピークに低下傾向が長らく続き、2011年の51万円を底に上昇に転じたが、18年では55万9000円にとどまる。

 家計にとって重要なのは、収入の額面より手取りの額だ。収入から「直接税+社会保険料」を天引きしたものが手取りにあたる。この「直接税+社会保険料」が収入に占める割合をみると、平成が始まった89年の14.9%から上昇傾向にあり18年は18.5%。例えば年収700万円で変わらなくても、手取りは約25万円減った計算だ。

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。